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2023.03.20

脱炭素の切り札となる、アンモニア燃焼 技術開発のテスト設備を稼働

 船舶用のボイラバーナと焼却炉を開発・製造する株式会社サンフレム(所在地:京都府宇治市、代表:田中達生)は、
202331日にアンモニアを燃料とする技術開発を行うための専用テスト設備(以降"本テスト設備")の稼働を開始いたしました。

 船舶の脱炭素化は、2050年の排出量実質ゼロに向けた議論がなされるなど、世界的な課題として大きく取り上げられています。
アンモニアは炭素分子を含まないため、燃焼しても二酸化炭素(
CO₂)を排出せず、脱炭素化に向けた切り札となりうる燃料として注目されています。
本設備で開発するアンモニア燃料の燃焼器(バーナ)は、船舶用のガス燃焼ユニット(GCU
Gas Combustion Unit)、および補助ボイラや不活性ガス発生装置(IGGInert Gas Generator)を脱炭素化するコア技術として実用化が望まれています。

燃料の前処理・後処理も考慮した設備設計

 今回設置したテスト設備は、時間あたり100kg以上のアンモニアを用いる実機レベルのテストが可能な、舶用機器開発の設備としては大規模なものです。
本テスト設備の設計は装置メーカの知見を得ながら、当社が全体をとりまとめる設計、設置を行っております。

 アンモニアを燃料として使用する際には、未燃の微量なアンモニアの排出(アンモニアスリップ)と、燃焼過程で生成されるNOx(窒素酸化物)や
N2O(亜酸化窒素)の排出に留意する必要があります。本テスト設備ではこれらに対応するべく、排気ガスを処理する機構を設けております。
実際の船舶に求められるシステムは、燃料の前処理と排気ガスの後処理を含めたトータルシステムであると考えており、この検証に必要な設備の拡張性をも考慮した設計となっております。
拡張時に接続する装置は当社だけでなく業界内の他社装置も念頭においており、本テスト設備を土台としてより良いシステム開発を行うための企業間コラボレーションを行っていくことも視野に入れております。

プロトタイプの燃焼試験を開始

アンモニアの燃焼には様々な仕様要求があります。これに対応すべくアンモニア燃焼器(バーナ)は自社開発に加えて、
パートナー企業である株式会社カシワテック(本社:東京都港区、代表:山下義郎)との共同開発を行っております。
これらプロトタイプの燃焼試験も本テスト設備ですでに開始しております。開発技術を組み込んだ製品の初号機は
2024年の販売を予定しております。
なお本設備の設置は、令和二年度事業再構築補助金による助成を受けて実施しております。


社屋.png
施設.png燃焼2.png